若いうちは、興味を持ったことに、迷わずチャレンジしたかった
携帯電話やプラズマテレビのディスプレイに使用する原版の製造で業界NO.1のシェアを誇る「東京プロセスサービス株式会社」。同社で、クロムマスク製造という専門性の高い仕事に携わっているのが徳山さんだ。
徳山さんが高専を卒業後、新卒で入社したのは愛知県にある企業だった。2年が経ち石川県で働きたいと転職を決意した時、同社は、大型プラズマディスプレイに対応したスクリーンマスクの研究・開発のため、いしかわサイエンスパークに研究開発センターを建設したところだった。前々から研究開発職に魅力を感じていた徳山さんにとっては、絶好のタイミング。しかも、業務内容に関する不安もそれほど感じていなかったという。
「高専を卒業して、製造職に2年間携わったといっても、どこでも通用するような技術を極めているわけでも、実務に活かせる有利な資格を持っているわけでもありませんでした。それが、かえって職業に対する束縛をなくしていたんだと思います。未経験でも、22歳の若さがあれば、適応能力をフルに発揮して転職するチャンスがある。だからこそ、面白そうだと感じることには、思い切ってチャレンジしてみようと考えていたんです」。
向き不向きを考える前に、純粋な興味を優先した徳山さんの行動は、結果として正解だった。同社は、その特殊な業務内容ゆえ、経験者はほとんどおらず、未経験からでも知識を習得できる上に、現場の社員それぞれが一つの業務を任されるというやりがいのある環境が用意されていたのだ。責任感は必要だが、それが徳山さん自身の成長に直結し、ますます仕事に夢中になれたという。
「私たちの仕事で大事なのは、欠陥品を作らないということです。いくらたった一つの素晴らしい製品ができたとしても、同じものがもう一度つくれなければ価値はありません。当社の商品力は、安定性のある品質を提供できるところにあるんです」と現在の仕事の課題とやりがいについて語る徳山さん。この「ベストよりもベター」という目的を達成するため、徳山さんが普段から心がけているのは、一喜一憂しないことだという。最高の製品に仕上がった場合は、次の製品がそれよりも劣ってしまうことを恐れ、失敗作になった場合は、改良の余地があることに期待する。このストイックな姿勢から、徳山さんの製造者としての技術力に対する誇りが感じられた。




