たった一つの商品を紹介するために1年かけることも
地元TV局とCM制作会社が立ち上げた厳選通販サイト
第4回「金沢屋 更新日 2003/08/08
開設日 2001年4月25日
更新頻度 毎日
北陸・新潟リンク集
登録カテゴリ
石川> お店・ショッピング
> 総合オンラインショップ

第4回のWebマスターInterviewは「金沢屋」を運営しておられる富田龍樹さんです。テレビCMで広く地元石川に知られる同サイトは、北陸朝日放送とCM制作会社フィックスが共同で立ち上げたサイトです。映像のプロである2社によるサイトだけに、使用されている写真のすばらしさが目を引きます。紹介する商品へのこだわりは並外れており、「目利き委員会」という第三者組織によって厳正に審査した商品を、場合によっては1年かけて取材し紹介しているといいます。こだわりにこだわった商品のみを厳選販売する、「金沢屋」の舞台裏に迫ってみました。

Webマスター 富田龍樹さん
おところ 金沢市
年齢 29歳
PC歴 4年
ひとこと 本物という言葉や文字を、自分は信用しません。
第三者組織をつくりあげての公正で信頼がおける商品選定
▼どのようなきっかけでサイトを立ち上げられたのですか?
金沢屋は地元テレビ局の北陸朝日放送とCM制作会社である株式会社フィックスが共同で運営しているサイトです。立ち上げた2001年当時、北陸朝日放送としてはデジタル放送が2006年にひかえている中で新しいビジネスモデルを何らかのかたちで立ち上げない限り生き残っていけないという危機感が強くありました。また、フィックスとしてはCMを中心にやってきたのですが、ネットという新しいツールができてそれを使ってなんらかの新しい道を模索しなくてはいけないという思いがあったのです。そして、新しいモデルで収益を上げるということよりもお互いローカルに根ざしている以上ローカルの情報を全国に向けてきちっと発信することでむしろ地域に貢献して石川県を活性化させる方法が何かあるんじゃないかというところが全ての始まりでした。

▼今の形のショッピングサイトに行きついた理由はなんですか?
有料情報サイトなども候補になりましたが、その当時は情報に対してお金を払うという意識はまだ広まっていませんでした。ですから何か物を動かさないと駄目だろうということになりました。それまでは物は安ければよいという時代でしたから、商品の信頼性が見えず、そこにどういう背景があるかとか、安全性に問題はないのかということについてはまだまだ表に出ていませんでした。しかし食品メーカー事件などが多発するようになったこともあり、これからは商品のバックグラウンドに対する関心が高まる動きが出てくると思ったのです。そうなるとネットは一つの商品のバックグラウンドを説明するためのかっこうの場となります。サイト上では実際に商品を手にとることはできないので、写真や文章のみの説明になってしまいます。しかし、われわれは放送のプロと映像のプロですから必ずその技術が活かせるだろうという自信はありましたね。
▼商品選定はどのように行われているのですか?
今の時代はインターネットも含め、実際の生活の中で情報が氾濫していて、一体何が良くて何が悪いかということが簡単に線引きができない状態ですよね。そんな中で、僭越だけれども「コレはいいものだ!」という商品を出したいと思ったのです。そうするためには、実際にそこで運営する人が「コレはいい!」と言っても「胡散臭い」で終わってしまうと感じたので、運営者とは全く別の第三者的な目をもった人たちに商品選定をしてもらおうと考えました。それも石川県について深い知識をもっている経験のある人を集めて商品を選定してもらえばもっと信頼されるだろうと思ったのです。そこで私たちは目利き委員会というものを発足させました。商品を選定するために5つの条件をつけ、さらに委員会での全会一致で初めて金沢屋が扱う商品となります。実際に推薦されてくる商品の約3割しか合格しないという狭き門です。
▲目利き委員会の様子も公開
▲商品についての詳しい説明

▼サイトを作るにあたりこころがけていることはなんですか
金沢屋にあるものは他のスーパーでは売っていないものです。大会社が作ってるわけでもなく有名なブランド物でもありません。消費者は、見知らぬ生産者に「最高に良いものです!」などと突然言われてもなかなか信用できませんよね。ですから生産者自身に視点をあてて、しっかり解説をした上で最後にその人が作る商品です、ということで紹介する形にしています。一つの商品を説明するためにだいたい2-3ヶ月はかかります。長いものでは1年もかかった商品もあります。また目利き委員会の内容やお客様からのクレーム、お褒めの言葉も全て公開する方針で運営しています。そうすることで公正さや信頼性につながると考えているからです。
▼デザインやナビゲーションで意識されていることは?
やはりわかりやすいことですよね。立ち上げ当初は20〜30代のユーザーが多いと思っていたのですが、実際は40〜50歳くらいの女性が一番多いです。ですからネット初心者の主婦の方にも使えるような分かりやすさを心がけています。たとえば、「ログイン」だと分かりにくいので「会員様の入り口」という表現にしました。その他には、できるだけ最初に視覚的に好印象を持ってもらえるようなデザインを心がけています。 なぜなら、主婦の方などがネットサーフィンしてる中で、初めからしっかり読まないと中身がわからないという面倒なものでは見過ごされてしまう可能性が大きいからです。できるだけ画像でインパクトを与えてそこに商品を最も表現できる要約を入れています。
▼実際に購入されているのはどのような方ですか?
年齢は40〜50歳が多く、男女比は半々です。8割が県外で、お客様のリピート率は30-40%弱ですね。立ち上げたばかりのころは一日70〜80人程度のお客様でしたが、今は700〜800人に増え、多い日は1000人のお客様がいらっしゃいます。
▼どういった商品が人気ですか?
やはり旬なものは売れますね。はちみつなどは在庫がなくなるくらいに売れています。定番商品で売れているのは「プロだし」、「五穀の君」ですかね。その他には、 「らっきょう」も売れていますね。「ふぐの卵巣」も‥ってほとんどですね(笑)。掲載アイテム数は現在のところ40数個ですが、常に最大50個の商品を載せておきたいと思っています。

▲やはり旬のものが人気!
▼今後の目標はどんなことですか

ブロードバンド時代ということで動画にどう対応していくかを考えています。また、写真でも充分に商品を伝えることができていると思うので、逆にテレビで放送ができないかなと考えています。 商品の裏にあるドキュメンタリーを放送して、「実はこの商品は買えますよ」、ということを伝えて、その受け皿としてネットを利用する形を考えています。ですから、このサイトをテレビの受け皿になれるような器にしておかないといけないと思っています。

また、ユーザビリティをもっとあげたいと思っています。たとえばお客さんとやりとりを今以上にできるようにしたいですね。現在は「注文メールをお受けしました」、というメールだけなんですね。そういうところを今後は、「買われた後商品はどうでしたか?」というコミュニケーションもしていきたいと思っています。そして最終的にはやはり石川県にきていただくということも目標としているのでオリジナルツアーなどを組んで実際に足を運んでもらえるようなイベント的企画を実行することも考えています。

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編集後記(担当:上楽)
良質で信頼のおけるものだけを販売するというこだわりを持って、商品提案から商品公開まで1年もかける熱意がすばらしいと感じました。実際に取材のときに「夏の上生菓子」と「どじょうの蒲焼」を頂きましたが、とてもおいしかったです。知り合いにも是非食べてもらいたい!と感じる逸品でした。

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